posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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フルるんが手に一枚のチラシを携えて、部屋へ遊びに来てくれた。
「ぜひ、ご一緒したくって」
そう言ってチラシをボクに見せてくれたのだ。
チラシには、【エッグポマンダーとドーナツ作りの体験会】なる文字が躍る。
「エッグ…ポマンダー?」
耳慣れない言葉に、ボクは首を傾げた。
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チラシには、たまごの殻を使って作る、ということが書いてあった。
詳しい手順は、載っていない。
ボクは傍らのノートPCを立ち上げて、検索してみる。
Pomme d'ambrae ──。
Pommeがリンゴだということぐらいは、持っている知識で解ったけれど、だからどうなのだ。
リンゴと卵と、ちっとも結びつかないんだもの!
やっぱり傾げたままのボクに、フルるんは
「卵の殻に装飾を施して、ポプリなんかを入れる器を作るんです」
と、簡潔に説明してくれた。
「卵の殻、割らずにいられるかな、ボクあんまり器用じゃないし…」
と、少々怖気づくと、フルるんは
「大丈夫ですよ、案外簡単にできちゃうんです」
と言う。
今回のポマンダーは卵の殻を使って作るんだけど、リンゴやオレンジでも作れるらしい。
フルるんは昔、オレンジで作ったことがあるそうで
「ノエルの飾りつけに使ったりするんです」
と嬉しそうに笑う。
検索に引っかかったサイトでも、さらに詳しい作り方などが書いてあった。
小さい穴を殻に空けて、中身を取りだして乾かし、
布やリボン、紙を貼り付けたり、殻そのものに絵を描いて装飾するそうだ。
なんだか、心が躍る。
「面白そうだね。ぜひ、ボクも一緒に参加させて!」
それから、雑貨とか案外好きなんじゃないかなぁ、と思って、まいおも誘うことにした。
チラシを見せながら、かいつまんで説明すると彼も乗り気になって
「まいお。両手に花、だな!」
ボクがふざけて笑うと
「はっ!?いや、…そうだよ…そうですねー!」
と、明らかにとってつけた笑顔で笑うから、
ボクら3人は、ケラケラと笑い合った。
これを機会に、敬語もやめちゃいなよ。
それぐらい、仲良くなれたら、きっととっても楽しいし、嬉しもんね!
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:59 │
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ぼんやりとしているつもりはなかったんだけれど、
ページを開いたまま、そこに突っ伏して寝てしまっていた。
あぁ、布団敷かなくちゃ。
時間として、30分ぐらいか。
座ったままで寝てしまっていたから、首や腰が妙に軋んだ。
半ば、夢の中に居るまま、這うように布団を敷いて
倒れこむように、眠りに就く。
気がつくと、朝。
posted by 渡月・トワヤ
at 16:30:59 │
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カフェで落ち合って本の貸し借りのついでに、音楽にも造詣が深そうなまいおに訊ねた。
「なんか、良い音楽知らねぇ?」
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夕食・風呂を済ませて寝るまでの間。
香を焚き、音楽を流すのが、近頃のボクのリラックス方法。
イージーリスニングなんかのCDも何枚か持ってるけれど、正直、飽きた。
地元にいる時は見向きもしなかった洋楽にもちょっとだけ目覚め、
歌詞なんてわかんなくても、カッコイイというだけで、流しておくにはちょうど良いことを知る。
「えぇとー…」
まいおは、携帯音楽プレイヤーを取りだして検索を始めているようだ。
「それ、どのぐらい入ってんの?」
好奇心から訊ねると、彼はにっこり笑って
「リピートなしで聴き倒せるぐらいだよー…です!」
と、えっへんと胸を張った。
自宅のPCには、メモリぎちぎちに曲のデータが蓄積されているとも言った。
へぇ…造詣は深いと思ってたが、すごいなぁ。
感心していると、あっと顔を上げ
「アンビエントなんてどうかなぁ…どうでしょう?」
差し出してきた片方のイヤホンを受け取って、耳へ。
流れてきた曲に歌詞はなく、低く低く一貫して穏やかに流れていく。
「インストゥルメンタルのことを、アンビエントってぇの?」
アンビエントなんて、初めて聞く単語だった。
やっぱボクは物を知らなさ過ぎるなぁ。
「環境音楽ってのかなぁ…ですかねー」
環境音楽?これまた初めて聞く単語だ。
環境破壊をテーマにしてるんだろうか?(帰ったらネットで調べてみよう…
そうこうしている内に1曲が終わり、ボクはイヤホンを彼に返した。
「けっこういいね。ぼんやりする時に流れててほしいかも」
今度、借りてみようと思ったので、聞いたアーティスト名を手帳に書き記した。
「また、トワヤさんの好きそうなの、調べてくるねっ…調べときますねー!」
手をぶんぶん振って、ボクらは帰路につく。
posted by 渡月・トワヤ
at 12:17:45 │
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肌身離さず持ち歩いている手帳。
夏至次候:菖蒲華(あやめ はな さく)
そういえば昨夜の三日月は、大きくて鋭くて、赤かった
<旬>
きゅうり、なす、とうもろこし、トマト(とうもろこしに赤ペンでアンダーライン
ぼちぼちオクラも。
冬瓜!鳥のそぼろあんをかけたんは美味い
魚なら、鯛…うーん。
干物→実家から送ってもらう
酢の物は定番>>ワカメとじゃこ。蛸もいい
・魚を焼いたの
・きゅうりの酢の物
・冬瓜の鶏そぼろあん
・ピーマン・人参・たまねぎのきんぴらor切干大根の煮物
posted by 渡月・トワヤ
at 14:59:59 │
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まいおと時折、カフェで落ち合っては、自分たちの本を貸し借りするようになった。
ボクから貸してあげるのは、小説や漫画がほとんどなんだけど、
まいおは変わったものを貸してくれる。
今回は、花の図鑑だった。
(ずっしりと重いので、今回はその1冊のみ)
実は、ボクは幼少の頃、多分まだ字もそんなに読めなかった頃から
本の類が好きで、良く眺めていたらしい(母の言)
一番の気に入りは、(今思い返せばそれは幼児用の英語教材だったのだけど)テキスト絵本だった。
ボクの記憶に残るページの断片にも、たしか簡単な文章は綴られていたけれどそんなの読めるはずもないし、なんて書いてあったかすらも、もちろん覚えていない。
記憶にあるのは、全巻通して、擬人化された動物が生活している絵が描いてあったこと。
その中でも一番記憶に残っているのが、ヤマネコがプロペラ機を操縦している絵。
とにかくそういう絵がたくさん描いてあって、
その絵を見たいがために本がボロボロになるまで何度も開いて眺めていた。
小学生に上がったころ、今度は誕生日の祝いにと、両親から図鑑を3冊ほど贈られた。
昆虫と動物と魚介類だったけれど、すぐにそれにも夢中になったっけ。
さすが図鑑だから、なかなかリアルな絵柄で、
昆虫のクモやらムカデやらハチやら、さすがにホンモノをじっくり眺めるワケにいかない分、
「うへぇ!気持ち悪いっ!」となりつつ、まじまじとその絵を眺めていたのを覚えている。
…今思えば、ちょっと変わった子供だったかもしれない。
そんなボクだったから、
まいおが貸してくれた花の図鑑に喜ばないはずないじゃないか!
「わぁぁ!ありがとっ!」
図鑑を胸にきゅっと抱えて、子供みたいにでれでれと笑う。
そんなボクを見て まいおは
「そんなに喜んでくれるとは思わなかったから、良かったぁ…です」
紅茶を飲んで、にっこりと微笑み返してくれるのだった。