posted by 渡月・トワヤ
at 14:25:36 │
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ボクは寮の屋上へ出た。
日中の陽射しはまだまだ衰えを見せずに照りつけるけれど、吹く風が熱を払う分、まだ今日は過ごしやすい。
やはり、夏はこれぐらいの気候がいい。
茹だるような暑さが澱むのは、正直しんどい。
先日、ふたりで出かけたプール。
タイミングが合ったから二人だけで行ったのだけれど、結果的に彼の誕生日のデートってことに。
あれは、嬉しい偶然だったなぁ。
ボクは日陰になる場所を選んでぺたりと座り、キンキンに冷やしたカフェオレを入れたマグに口をつけた。
ハタハタと、風にゆれるシーツの波。
空にはむくむくと入道雲。その上を軽やかに行くのは絹雲。
あぁ、ゆきあいの空。
秋はもうすぐ、そこだ。
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posted by 渡月・トワヤ
at 18:00:14 │
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日中、空を覆っていた雲がちぎれて丸くなり、その隙間から今にも溶けそうな淡い金色の太陽が覗く、図書館からの帰り道。
風は昼間より幾分熱を下げて吹いてくる。
ボクは太陽に向かって、鼻歌まじりで歩いていた。
…あれ?
なんとはなしに、前方の空を見たボクは、少しびっくりする。
なんと虹が見えたのだ!
でも、何か変だ。
その虹は、アーチを描いておらず、空に向かって垂直に伸びている。
それだけじゃない。
そう。
今なお、ボクは太陽に向かって歩いているのだ。
虹って、太陽を背にしたときに見えるモンじゃなかったっけ?
ボクは首をかしげ、ふと思いつく。
これは、もしかして、彩雲!?
そう思い至れば俄然張り切っちゃって、携帯を取り出し何枚か激写する。
しかし、こうなると、人間の目の不思議を感じずにはいられない。
肉眼ではあんなにくっきり見える虹が、カメラに収めると途端にこんなに…ちいさい……(指で幅を狭め)
それでもかろうじて「虹…?」と判別できそうな1枚を撮ると、ボクは満足した。
彩雲は吉兆。
わぁい、何かいいことがあるかもー!
ボクは足取り軽く、寮までの道を急いだ。
部屋へ帰ると、とるものとりあえず、本棚から雲の写真集を取り出してページをめくる。
「彩雲」のページ。
でも……
ボクが見たのは、どうも違う。
うーんと唸って、さらに何ページか、繰る。
あぁ、これか!
ボクが見たのは「幻日」と呼ばれる方の光学現象だったのだ。
幻日は割と良く観測できる現象だそうで(しょんぼり
それでも、やっぱり彩雲!?と思った時感じた気持ちは
「いいことあるかもー!」
っていう、明るい未来への希望に満ちていて。
大事なのは、そういう気持ちを持ち続けることだ。
よしっ、こりゃきっとなにかいいことがあるぜー!(小さくガッツポーズ
posted by 渡月・トワヤ
at 00:00:30 │
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少し、ドキドキしながら、
時計の針が、重なるのを待っているボク。
「お誕生日おめでとう!」
ボクはにっこり笑って、小さな紙袋を手渡した。
彼は少し驚いた顔をし、それから
「サンキュ、超嬉しい!」
そう言って、ふわっと顔を綻ばせる。
その瞬間、この胸を満たした想いをなんと形容すればいいのか。
ボクには語彙もその術もないけれど。
あなたの笑顔が教えてくれたものは、
そんなものをやすやすと飛びこえる。
あ。
ボクははっとする。
もしかすると、こういうことなのか。
そうだとしたら、それはなんてしあわせなことなんだろうか。
ボクはそっと、この幸福をかみしめる。
また少し、あなたのこころに近づけたのかもしれない。
ボクはそれが、とても嬉しかった。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:21:35 │
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夜風が涼しくて、ボクは夜の散歩に出かけた。
たまには体を動かさなくちゃ、鈍ってしまってしょうがないんだもの。
日中は(暑いのもあるし)自室や図書館で勉強を毎日頑張ってる。
友達との会話でも進路のことが話題に上ることが増えたし、実際半年後には、受験シーズンまっただ中なのだよね。
彼が忙しいながらも時間のあるときには勉強を見てくれることも、勉強を続けられる大きな理由のひとつだ。
「気が乗らないことでも、ふたりなら頑張れるだろ」そう言って、ボクの髪の毛をくしゃりと撫でて笑う。
そのたびに、ボクは泣きたいほどの幸福を感じずにはいられなくて。
ずっと彼を見つめていたら、本当に泣いてしまいそうになるから、
「う、うん」と慌てて問題集に向き直る。
…頑張りたい。
やっぱり少し挫けそうになるときもあるけれど、せめて応援してくれる気持ちにだけは応えたい。
月は半月。上弦の月。
あの夜の屋上から流れはじめたのは、月を満ちさせていく時間。
実感があるようなないような。
半ば夢の続きを見ているかのような、どこかふわふわした感覚。
ぬるい風が、ゆるりと頬をなでた。
こんな風みたいに、やさしい気持ちを持ち続けていたい。
あの人がくれるたくさんのもの。
そのすべてをいつでも両手を広げて受け止めたい。
ボクが彼にしてあげられることはきっと少ないけれど、ボクでなきゃダメなことは、絶対にあるはずだ。
ふと目をとめた生垣の上。
自由にのびやかに枝を伸ばして、ボクの頭上を覆う百日紅は濃い桃色の花。
"サルスベリ"の名に相応しく、つるりと滑らかな木肌が、月光を柔らかく反射している。
腕を伸ばし、その木肌にそっと触れれば、ボクのこころも、どこかしら、
ひんやり つるりと滑らかに。
posted by 渡月・トワヤ
at 22:49:58 │
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高1のときクラスが一緒だった友達が、久しぶりにGTへ連れ出してくれた。
ブランクがあっても、顔を見れば
「よぅ、ブラザー!」とか言いながらハイタッチして笑い転げて。
ムードメーカーの彼のおかげで、高1のときは毎日ガッコへ行くのがすごく楽しかった。
明るい性格の彼はきっと今も変わらず友だちは多いはずで。
「あのマメさは、尊敬するよなー」
などと、共通の友人と話題に上ったことすらあるほどで、こうして時折ボクのことも気にかけてくれる。
彼の気配りでこうして紛いなりにも友情が続いてるってことは、あながち心の友認定も外れちゃいないってことかもしれない。
── ボクの数少ない黒歴史を作ってくれたりもしたしな…!(ずーんと落ち込み)
高校3年生ともなれば、責任ある立場に立つこともある。
彼もご多聞にもれず、結社の団長になったらしい。
元気とノリ「だけ」が取り柄なのだし、無理だけはすんなよな♪