posted by 渡月・トワヤ
at 23:13:35 │
EDIT
生姜をたっぷり入れたミルクティに、テーブルスプーン半分ほどの蜂蜜を落として。
しんと冷える冬の夜。
透明度を増した冬の空には、降るような一面の星。
カップを両手で包み、ふぅっと吹いて一口啜ったら。
今頃何をしてるかなぁって、
特別やさしい気持ちになって、彼へと想いを馳せる。
PR
結社の仲間とともに、緊張の中臨んだ人狼騎士との戦いも無事に勝利をおさめ、
「ファイナルナイトメア」も銀誓館学園の完全勝利で幕を閉じた。
そうなるとボクの頭の中の半分以上は、2週間後のイベントに占拠されてしまう。
今までチョコレートの力を借りて告白をしよう、だなどと殊勝なことを思ったためしもなく、むしろ、ボクは告白したくなったらその時すればいいと思ってしまう性質だから、あえて”その他大勢”に埋もれてしまう可能性のある日に告白するなんて、考えられないのだ。
まぁ…ぶっちゃけ、今までそういう相手と巡り合えなかったってだけなんだけど…
ボクもいっぱしの女子だったってことだ。
チョコレートを渡すならば、特別な想いを寄せる相手でないと…イヤだ。
真面目だと言われようと、中途半端なことはできないんだから、こればっかりはしょうがない。
チョコレートのみならず、パッケージにもこだわりたい。
箱にするか、おしゃれな紙袋にするか。
箱の色、リボンの色。
メッセージカードはどんな風にしようか──
人を好きになるって不思議だ。
逢いたい、できうる限り一緒に居たいと願っている反面で、
こうやって、一人の夜を過ごしていても、それでもかまわないとさえ思えてしまう。
彼のことを好きだと想うたび、ただそれだけで、ボクはこんなにも満たされてしまうのだから。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:30:36 │
EDIT
トントントントンと刻む音。
甘い甘い香りに包まれるキッチン。
火にかけた鍋からは、徐々に湯気が立ち上り出す。
上手に作れるように、秘密の特訓中。
posted by 渡月・トワヤ
at 23:59:05 │
EDIT
寄せられた信頼。
それはきっと、ボクが思っていたよりもずっと、大きなものだった。
そのあまりの大きさに、衝撃すら覚え心が喜びに震える。
戦争。
選択の失敗は、そのまま命取りになることだってある。
その場面で、あんなふうに受け入れられるなんて思わなかった。
肯定されることの安心感が、ボクの言葉から重たい鎧を取り払う。
言葉は少なくても、思いがきちんと重なっていると実感できることが、うれしくて。
ボクの言葉がいつもよりトーンダウンしていたことに、きみは気づいていたかい?
あれは、感情だけで生きているボクが普段隠している、思考部分。
…まぁ、普段あんなの出さないけどねー!
最後まで心が折れずにバランスを保っていられたのも、
笑顔で「またね!」と次の約束を交わせることも、
すべては、きみがずっと隣に居てくれたからだって。
だから。
……Thanks,my beloved.
posted by 渡月・トワヤ
at 13:58:25 │
EDIT
夕方。雨上がりのエントランス。
大きな紫陽花の葉の上に残る雨粒が、お陽さまの光を映して、きらきらの虹を生み出している。
そんなボクの原風景。
雨が洗い流した大気は、キラキラのプリズムで満ちていて
ボクの体を包み込む。
それはまるで、何か大きなチカラに守られているかのような気持ちにさせてくれるんだ。
posted by 渡月・トワヤ
at 11:10:43 │
EDIT
休み時間。
女子が、近くの机に数人集まって、きゃあきゃあとなにやら盛り上がっている。
少しぼんやりしていたボクは、机に頬杖をついてその様子を見るとはなしに眺めていた。
「…あ!ちょっと、ワタちゃんも来て来て!」
そのうちの一人と目が合う。彼女はあっと声を上げてボクを手招きした。
え?ボク?
まさか自分が呼ばれると思ってなかったのもあって、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてしまった。
いったい、何事?
その人だかりの中心に、一冊の雑誌。
…あぁ、なるほど。
茶色とピンクで塗りつぶされたように見えるそのページ。ボクはその内容をちらっと見て、女の子たちが騒いでいた合点がいく。そりゃ盛り上がるなっていうのが無理な話だ。女の子にとっては、このイベントは一大事。
「手作りって重いかなぁ…」
「うーん。相手の感じにもよるよねー…あ、これいいなー♪」
ページをめくりながら、ため息をついたり、あれもいい、これもかわいい、と口々に言う子たちの周りには、なんだか淡いピンク色の花びらが舞っているみたいだ。ボクはその花びらのあまりのかわいさに多少気圧されながら、
「…ってか、何でボクを呼ぶの!」
ボクを呼びつけた子の肘を突き、ひそひそ声でそう訊ねる。
「…へっ?」
彼女は何をいまさら、と若干あきれた調子で
「だって。あげるんでしょ?」
視線を、ちらりと教室の前方へ走らせてボクを見、にやーっと笑う。
「~~~~~っ!!」
彼女につられて動かした視界に飛び込んだ後姿に、ボクは思わず赤面し言葉に詰まった。
「…あ、そうか。もうとっくに考えてるか、さすがラブラブ♪」
彼女はくすくすと笑う。
「…いや、あの…その~、まぁ、なんだ」
恋バナなんて、慣れてない。
(そもそも、こういう…恋って初めてだし…!ましてやチョコを渡せる相手が居たことなんかないし…恥ずかしいし……!)←声にならない声
うへへ、と笑って誤魔化せ!
とりあえず視線を彼女から逸らして泳がせていると、机の上に広げられていた雑誌のページに、ふと目が留まった。手作りチョコのキットの特集で「初心者にも簡単にできる!」という文字に、ボクの目は釘付けになった。
(…ガトーショコラが手作りできるだって!?)
料理は一通りできるけど、お菓子作りは、てんでダメだ。
でも、やっぱり……彼に喜んでもらいたい。
うーん。
今日帰ったら、お菓子作りのエキスパート(!)フルるんに相談に乗ってもらおうかな…